「Appreciation for Roots of the Taste Project」
ホテルが手掛ける全ての味わいの基となる素材への感謝の意を込めて展開するプロジェクト。総料理長とホテルスタッフが生産者の方を訪ねて地元三河の食材の素晴らしさをお伝えします。
back number (April_2015)
無農薬にこだわった 河合果樹園のレモン栽培に魅せられて
「河合さんのレモンは、普通のレモンと思って使うと全く別な仕上がりになってしまう。ある意味、料理人の腕が試される素材かもしれませんね」と総料理長の今里が語るのは、ホテルアークリッシュ豊橋がオープン当初から使っている豊橋市の河合果樹園、河合浩樹さんが作る無農薬のレモンやレモネーディアだ。河合さんは、持ち前の探求心でこれまで業界ではタブーとされてきた無農薬技術、鉢植え栽培などでレモンを栽培。全国から視察が絶えないハウスの中では河合さんが“うちの従業員”と呼ぶ鶏が草や悪い虫をついばみ、雑草までもがコントロールされて、今里やスタッフもそのこだわりに思わず納得。
レモネーディアは、昭和40年代の品種を河合さんが無農薬技術で復刻したもの。レモンなのに酸っぱくなく、手で皮がむけるという特徴があり「酸味にとげとげしさがなく、しかも甘みがあって、ピール(皮)の程良いほろ苦さもまた美味しい…新しいフルーツのような感じなので、料理もこのレモンに合わせた味わいを心がけています」
レモンやレモネーディアは、収穫のタイミングによって色づきや果汁の量、糖度、大きさまでもが違うと言う。その時々で異なる美味しさをどう生かすか。今里はもちろん、その特徴を伝えるスタッフの感性と力量に注目したい。